Claude Code in Slack は、Slack のチャネルで @Claude にコーディングの依頼をメンションすると、Claude Code のクラウドセッションが作られて作業が始まる連携機能です。この記事では、公式ドキュメントの「Claude Code in Slack」をもとに、前提条件、セットアップ手順、ルーティングモード、セッションの流れとボタン、アクセス権限、制限とトラブル対処をまとめます。
Claude Code in Slack とは
この連携は既存の Claude for Slack アプリの上に作られていて、コーディングに関する依頼を Claude Code のクラウドセッションへ振り分ける仕組みが加わったものです。各セッションは依頼した本人の Claude アカウントで動き、本人が接続したリポジトリと本人のプランの利用上限を使います。
公式ドキュメントによると、この個人アカウントで動く版は Team と Enterprise のワークスペースでは廃止予定で、組織の共有 ID として @Claude を動かす Claude Tag に置き換えられます。既存の Slack アプリと @Claude の名前はそのまま残り、切り替え日は Anthropic のアカウントチームが案内します。Claude Tag は個人プランでは使えないため、Pro と Max では引き続きこの記事の手順がセットアップ方法です。
公式ドキュメントが挙げている使い道は次の4つです。
- バグの調査と修正: チャネルでバグが報告されたら、そのまま Claude に調べて直させる
- 小さなレビューと修正: チームのフィードバックを受けて、小さな機能追加やリファクタリングを任せる
- みんなでデバッグ: 会話に出てきたエラーの再現手順やユーザーからの報告を、Claude がデバッグの手がかりに使う
- 並行して進める: Slack でタスクを出して自分は別の作業を続け、完了の通知を受け取る
前提条件とセットアップ
使う前に、次の条件をそろえます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| Claude のプラン | Pro、Max、Team、または Claude Code を使える Enterprise(プレミアムシートか Chat + Claude Code シート) |
| クラウドセッション | アカウントでクラウドセッションが使える状態になっている |
| GitHub アカウント | claude.ai/code で接続済みで、リポジトリを1つ以上認証している |
| Slack の認証 | Slack アカウントが Claude アプリ経由で Claude アカウントとリンクされている |
セットアップは次の順に進めます。
- Slack に Claude アプリを入れる: ワークスペース管理者が Slack App Marketplace で「Add to Slack」を押してインストールする
- 自分の Claude アカウントを接続する: Slack の Apps 欄で「Claude」を開き、App Home タブの「Connect」を押して、ブラウザで認証を済ませる
- クラウドセッションを使える状態にする: Slack に接続したのと同じアカウントで claude.ai/code にサインインし、GitHub を接続して、作業させたいリポジトリを1つ以上認証する
- ルーティングモードを選ぶ: App Home の Routing Mode 設定で選ぶ(次の章で説明)
- チャネルに招待する: インストールしただけではどのチャネルにも入っていない。使いたいチャネルで
/invite @Claudeと入力する
Claude が応答するのは、招待されたチャネルでの @メンションだけです。公開チャネルでも非公開チャネルでも動きますが、ダイレクトメッセージ(DM)では動きません。
ルーティングモードと自動判定
ルーティングモードは、@Claude へのメッセージをどこへ回すかを決める設定です。
| モード | 動き |
|---|---|
| Code only | すべての @メンションを Claude Code のセッションへ回す。Slack の Claude を開発作業だけに使うチーム向け |
| Code + Chat | メッセージごとに内容を見て、コーディングは Claude Code へ、文章作成・分析・一般的な質問は Claude のチャットへ振り分ける。@Claude を何でも頼める1つの窓口にしたいチーム向け |
Code + Chat では、コーディングの依頼かどうかを Claude が自動で判定します。自動で判定されなかったときも、コーディングのタスクとして扱うよう明示的に頼めます。チャットに回されたが実はコーディングを頼みたかった場合は、「Retry as Code」ボタンで Claude Code のセッションとしてやり直せます。逆に Code に回されたがチャットでよかった場合も、そのスレッドでチャットを選べます。
会話からの文脈の集め方
- スレッドでメンションした場合: そのスレッドのすべてのメッセージから文脈を集める
- チャネルで直接メンションした場合: チャネルの最近のメッセージから関係のある文脈を探す
集めた文脈は、問題の理解、リポジトリの選択、進め方の判断に使われます。公式ドキュメントは、Claude は文脈に含まれるほかのメッセージの指示に従う可能性があるため、信頼できる Slack の会話の中でだけ使うよう注意しています。
セッションの流れとボタン
1回の依頼は次のように進みます。
- 開始: コーディングの依頼を書いて @Claude にメンションする
- 判定: Claude がメッセージを読んでコーディングの意図を判定する
- セッション作成: claude.ai/code に新しい Claude Code のセッションができる
- 進捗の報告: 作業の進み具合を Slack のスレッドに投稿する
- 完了: 終わると、要約とボタンを付けてあなたをメンションする
- 確認: 「View Session」で全体の記録を見るか、「Create PR」でプルリクエストを作る
メッセージに付くボタンは次のとおりです。
| ボタン | できること |
|---|---|
| View Session | ブラウザで Claude Code のセッション全体を開く。行われた作業を確認したり、セッションを続けて追加の依頼をしたりできる |
| Create PR | セッションの変更からそのままプルリクエストを作る |
| Retry as Code | チャットとして返答された依頼を、Claude Code のタスクとしてやり直す |
| Change Repo | Claude が選んだリポジトリが違っていたときに別のリポジトリを選び直す |
リポジトリは会話の文脈から自動で選ばれ、候補が複数あるときは選択用のドロップダウンが出ることがあります。Slack に表示されるのは進捗・要約・ボタンで、会話の履歴、コードの変更、ファイル操作を含むセッション全体は claude.ai/code の履歴に残ります。そこから過去のセッションを続けたり、PR を作ったりできます。Team と Enterprise のアカウントでは、Slack から作ったセッションは自動的に組織内に公開されます。
依頼の書き方と使い分け
- 具体的に書く: 関係するファイル名、関数名、エラーメッセージを入れる
- 文脈を補う: 会話から分からなければリポジトリやプロジェクト名を書く
- 完了の条件を書く: テストを書くのか、ドキュメントも直すのか、PR まで作るのかを伝える
- スレッドを使う: バグや機能の話はスレッドで返信し、Claude が文脈をまとめて集められるようにする
公式ドキュメントは、文脈がすでに Slack の議論にあるとき、非同期でタスクを始めたいとき、チームメイトにも経過を見せたいときは Slack を、ファイルをアップロードしたいとき、作業中にやり取りを重ねたいとき、長く複雑なタスクのときはブラウザ(claude.ai/code)を直接使うよう勧めています。
アクセス権限とトラブル対処
アクセス権限
- ユーザー単位: セッションは各自の Claude アカウントで動き、利用量は各自のプランの上限に数えられる。扱えるのは自分で接続したリポジトリだけで、セッションは自分の claude.ai/code の履歴に出る
- ワークスペース単位: アプリを入れるかどうかはワークスペース管理者が決める。Enterprise Grid では組織管理者がどのワークスペースで使えるかを管理できる。アプリをワークスペースから削除すると、そこにいる全員のアクセスが直ちに無くなる
- チャネル単位: Claude をどのチャネルに招待するか、そのチャネルに誰が入れるかで、Claude Code を使える人をさらに絞れる
よくあるトラブル
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| 「Claude Code is not enabled for your account」と出る | アカウントにクラウド環境がまだ無い状態。Slack に接続したのと同じアカウントで claude.ai/code に一度サインインし、Web のオンボーディングを最後まで進める。次のメンションから解消する。各ユーザーが自分で行う必要がある |
| セッションが始まらない | App Home で Claude アカウントが接続されているか、クラウドセッションが使えるか、GitHub のリポジトリが1つ以上接続されているかを確認する |
| リポジトリが出てこない | claude.ai/code でリポジトリを接続する。そのリポジトリの GitHub 権限を確認する。GitHub アカウントを一度切断して接続し直す |
| 違うリポジトリが選ばれた | 「Change Repo」で選び直す。依頼文にリポジトリ名を書くと選択が正確になる |
| 認証エラー | App Home で Claude アカウントを切断して接続し直す。ブラウザで正しい Claude アカウントにサインインしているか、プランに Claude Code が含まれているかを確認する |
現在の制限
- GitHub のみ: リポジトリは GitHub 上にある必要がある
- PR は1つ: 1つのセッションで作れるプルリクエストは1つ
- クラウドセッションが必要: クラウドセッションを使えないユーザーには、Claude は通常のチャットで返答する
対応プラン、ボタン名、Claude Tag への移行時期は変わることがあります。正確な内容は公式ドキュメントの Claude Code in Slack(日本語版)をご確認ください(確認日 2026-09-29)。