Claude Code の /code-review ultra(ultrareview)は、クラウド上の複数のレビュー用エージェントが差分のバグを探し、見つかった指摘を独立に再現・検証してから報告する深いレビュー機能です。マージ前の最終確認に向いています。この記事では、起動方法、料金、制限、スクリプトからの使い方を公式ドキュメントに基づいて整理します。
ultrareview の概要
ultrareview は Anthropic のクラウド基盤上で動くクラウドセッションとして実行されます。/code-review ultra を実行すると、クラウドのサンドボックス内でレビュー用エージェントの群れが起動し、ブランチまたは Pull Request のバグを探します。
ローカルで行う /code-review と比べると、次の特徴があります。
- 精度の高さ: 報告される指摘はそれぞれ独立に再現・検証されるため、スタイルの指摘よりも実際のバグに絞られます。
- 探索範囲の広さ: より多くのレビュー用エージェントが並列に変更を調べるため、ローカルのレビューでは漏れるような問題も拾える場合があります。
- 手元の資源を使わない: レビューはクラウドのサンドボックスで完結するので、端末は別の作業に使えます。
ultrareview は研究プレビューの機能です。機能、料金、提供範囲は変わる可能性があります。利用には claude.ai アカウントでのサインインが必要で、API キーだけでサインインしている場合は /login で切り替えてください。
起動と対象の指定
任意の git リポジトリで次のコマンドを実行します。
/code-review ultra
引数を省略すると、現在のブランチと既定のブランチとの差分が対象になります。未コミットの変更とステージ済みの変更も含まれます。
比較の基準を変えたいときは、ブランチ名を添えます。
/code-review ultra develop
基準ブランチがローカルに無くても、origin から取得されます。コミット ID やタグを基準にすることもできます。その場合は、そのコミット以降のブランチ上の変更が対象になります。
GitHub 上の Pull Request を対象にするには、番号を渡します。#1234、PR 1234、PR の URL も指定できます。
/code-review ultra 1234
PR モードでは、クラウド側が GitHub から Pull Request を clone するので、手元の作業ツリーはアップロードされません。ただし、対象は github.com 上のリポジトリに限られ、接続した GitHub アカウントに読み取り権限が必要です。
起動すると確認ダイアログが表示され、対象の範囲、残りの無料回数、概算料金が示されます。確定後はバックグラウンドでレビューが進むので、その間も会話を続けられます。ultrareview は、ユーザーが上のコマンドを実行したときだけ起動します。Claude が自分の判断で起動することはありません。
料金と無料枠
ultrareview は利用枠ではなく、利用クレジット(usage credits)で課金される有料機能です。
- 無料枠: Pro と Max のプランでは、アカウントごとに 3 回まで無料で使えます。この枠は更新されません。
- 無料枠の後: 1 回あたりおおむね 5 ドルから 25 ドル程度の利用クレジットがかかります。変更の大きさによって変わるので、起動ダイアログで見積もりを確認してください。
- 消費のタイミング: クラウドセッションが始まった時点で無料枠が 1 回消費されます。途中で停止した場合も消費されます。有料の場合は、実際に動いた分だけが課金されます。
利用クレジットがオフのままだと、起動はブロックされます。設定は /usage-credits で確認と変更ができます。課金の確認は会話ごとに 1 回表示されます。/clear で新しい会話を始めた場合は、次の有料レビューの前に再度表示されます。
制限と非対応環境
差分が大きすぎる場合や、比較の基準が取れない場合は、レビューの前に拒否されます。主な条件は次のとおりです。
- 差分の上限: ブランチのレビューは、既定で最大 500 ファイル、8,000 行までです。超えた場合は、超過している内容と行数の多いファイルが示されます。上限の値は変わる可能性があります。
- 差分が空: 比較対象との差分が無い場合は拒否されます。作業ブランチに切り替える、変更をコミットする、別の基準を指定する、といった対処が示されます。
- 初回コミット: 最初のコミットには比較対象が無いので、全ファイルが対象になります。確認ダイアログで同意したあとに実行されます。未追跡ファイルがある場合は拒否されるので、レビューしたいファイルを
git addしてください。 - 共通の履歴が無い場合: 基準ブランチと履歴を共有していない場合は、追跡されている全ファイルが対象になります。フルクローンが必要で、確認に同意したときだけ実行されます。
次の環境では ultrareview を実行できません。
- Amazon Bedrock、Google Cloud の Agent Platform、Microsoft Foundry 経由で Claude Code を使っている場合。この場合、
/code-review ultraは代わりにローカルでレビューを実行します。 - ゼロデータ保持(ZDR)や HIPAA の構成が適用された組織の場合。この場合も、
/code-review ultraはローカルのレビューになります。 - 顧客管理の暗号鍵(CMEK)を使っている組織の場合。この場合は ultrareview を実行できないので、通常の
/code-reviewを使います。
通常のレビューは 15 分から 25 分ほどかかります。進行中や完了済みのレビューは /tasks で確認でき、途中で停止することもできます。停止すると、クラウドセッションはアーカイブされ、途中までの結果は返されません。
claude ultrareview で非対話に使う
CI やスクリプトからは claude ultrareview サブコマンドを使います。インタラクティブなセッションは不要で、レビューの完了まで待ってから結果を標準出力に表示します。進捗メッセージは標準エラーに出るので、出力は機械的に読み取れます。
claude ultrareview
claude ultrareview 1234
claude ultrareview origin/main
主なフラグは次のとおりです。
| フラグ | 内容 |
|---|---|
--json | 整形済みの結果ではなく、生の bugs.json を出力します。 |
--timeout <分> | 完了を待つ最大時間です。既定は 45 分です。 |
--post | 完了後、結果を Pull Request に 1 件のコメントとして投稿します。GitHub アカウントからの投稿で、レビューの承認ではありません。Claude Code v2.1.227 以降が必要です。 |
--no-post | 投稿しません。これが既定です。 |
終了コードは次の 3 つです。
- 0: レビューが完了した(指摘の有無は問わない)
- 1: 起動できなかった、途中で停止した、クラウドセッションがエラーになった、またはタイムアウトした
- 130: Ctrl-C で中断した
注意点があります。claude -p '/code-review ultra' では結果を受け取れません。レビューを起動したあとすぐに終了するためです。スクリプトでは必ず claude ultrareview を使ってください。また、途中で終了して結果が届かなかった場合、再実行すると新しいレビューとして始まり、無料枠または課金が再び発生します。
/code-review との使い分け
両者は同じ種類のレビューですが、使う場面が違います。
/code-review | /code-review ultra | |
|---|---|---|
| 対象 | 作業中の差分、PR、ブランチ、パス | 作業中の差分、または PR |
| 実行場所 | ローカルのセッション | クラウドのサンドボックス |
| 深さ | 効果の指定に応じて変わる | 検証を伴う複数エージェントのレビュー |
| 所要時間 | 数秒から数分 | おおむね 15 分から 25 分 |
| 料金 | 通常の利用量に含まれる | 無料枠のあと、1 回おおむね 5 ドルから 25 ドル |
作業中に素早くフィードバックがほしいときは /code-review を使います。マージ前に大きな変更を深く確認したいときは /code-review ultra が向いています。自動で Pull Request をレビューさせたい場合は、GitHub と直接連携する Code Review の機能を使う方法もあります。