Claude for Excel アドインの使い方

Claude.ai プロフェッショナル 6分で読めます

Claude for Excel は、Excel のサイドバーから Claude に話しかけられるアドインです。開いているブックの内容をそのまま参照できるので、数式の意味をたどったり、前提となる数値を差し替えたり、エラーの原因を探したりする作業を、Excel から離れずに進められます。この記事では公式ドキュメントに基づいて、導入手順、対応バージョン、主な機能、そして非対応の操作と注意点を日本語で整理します。

Claude for Excel とは

Claude for Excel は Excel に Claude を組み込むアドインです。公式ドキュメントでは、開いているブックについて質問する、数式の関係を保ったまま前提を調整する、エラーを調べて直す、モデルを新規に作るか既存のテンプレートを埋める、という4つが主な用途として挙げられています。

提供対象は Pro、Max、Team、Enterprise の各プランで、一般提供(GA)となっています。Claude for Microsoft 365 の製品ページでも、Excel・PowerPoint・Word は有料プラン全体で一般提供中と案内されています(Outlook はベータ)。

利用は既存の Claude アカウントに紐づき、通常の利用上限がそのまま適用されます。Excel 用に別枠の上限が用意されるわけではない点に注意してください。

アドインで選べるモデルは、Office での作業に向いたものに絞った一部のみです。そのため Claude.ai の一覧より短くなることがあります。組織のモデルアクセス設定も併せて適用され、権限のないモデルは表示されません。

導入手順と対応バージョン

個人で入れる場合の手順は3つです。

  1. Microsoft AppSource の「Claude for Microsoft 365」のリスティングを開きます。
  2. 「Get it now」を選んでインストールします。
  3. Excel を開いてアドインを有効化し、Claude アカウントでサインインします。

対応しているのは次のビルドです。

組織全体へ配布する場合は、管理者が Microsoft 365 管理センターから展開します。まず「設定」→「組織設定」→「ユーザー所有のアプリとサービス」で「ユーザーが Office ストアにアクセスできるようにする」を有効にし、「設定」→「統合アプリ」→「アドイン」で Claude for Microsoft 365 を検索して、組織全体または特定のユーザー・グループへ割り当てます。

配布後、利用者は Mac では「ツール」→「アドイン」、Windows では「ホーム」→「アドイン」からアドインを有効化してサインインします。

Office ストアへのアクセスを無効にしている環境では、カスタムマニフェスト XML を使って配布します。Excel 用のマニフェストファイルを取得し、Word 版ドキュメントの「Deploy with a custom manifest」の手順に従ってアップロードします。手順は、アップロードするマニフェストファイルが違うだけで同じです。

なお、Microsoft Entra Privileged Identity Management(PIM)で管理者ロールを運用している組織では、統合アプリのページが PIM で有効化したロールを認識せず配布に失敗する既知の問題(Microsoft 側の追跡 ID 11126536)があります。回避策は、PIM 対象ではなく恒久的にロールが割り当てられた管理者アカウントから配布することです。この場合でも、個々の利用者が自分でインストールすることはできます。

AI のトラフィックを Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI、Azure AI Foundry、あるいは LLM ゲートウェイ経由に集約している組織では、個々の Claude アカウントを用意せずに管理者がアドインを配布することもできます。

できること

公式ドキュメントが挙げている主な機能は次のとおりです。いずれも例示されているプロンプトが付いています。

複数タブにまたがるブックでも作業できます。

連携と永続的な指示

コネクタを使うと、S&P Global、LSEG、Daloopa といった外部の情報をブックへ引き込めます。有効にしたスキルは作業中に自動で適用されます。

アドインのサイドバーの「Settings」にある Instructions 欄には、Excel でのすべての会話に適用される指示を書けます。「数値は桁区切りで表示する」「列見出しは必ず太字にする」といった書式の決めごと、通貨やロケールの指定、繰り返し出てくる業務の前提などが向いています。ここで設定した指示は Excel だけに適用され、PowerPoint や Word の Instructions とは別管理です。

Claude for Excel は PowerPoint、Word、Outlook 版とコンテキストを共有するため、1つの会話が開いているブック、プレゼンテーション、文書、受信トレイをまたげます。

長い作業のための仕組みも用意されています。会話が長くなると自動で圧縮(auto-compaction)されて新しい会話へ引き継がれ、コンテキスト切れを避けられます。また、既存データを上書きする前には警告が出ます。

データの扱いについては、入力と出力はバックエンドで受領または生成から30日以内に削除されます(例外は公式のデータ保持に関する案内を参照)。削除後も数時間はキャッシュが残り、直前に閉じたブックの文脈を参照できます。会話履歴はブラウザの IndexedDB にローカル保存され、Anthropic のサーバーには保存されず、デバイス間で同期もされません。履歴は Settings からいつでも消去できます。アドインを入れ直したり、別の Claude アドインへ切り替えたりしても履歴は消えません。

なお、Claude for Excel は組織が設定したカスタムのデータ保持設定を引き継ぎません。操作は Enterprise の監査ログにも含まれません。Compliance API を有効にしている Enterprise 組織では、Claude for Excel のセッションも Compliance API の対象になります(パブリックベータ。追加設定は不要で、既存の Compliance Access Key がそのまま使えます)。

制限事項と安全に使うための注意

公式ドキュメントは、次の用途には推奨しないと明記しています。

機能として未対応なのはデータテーブルマクロおよび VBA の操作です。また、次の環境では動作しません。

そのうえで、公式ドキュメントはプロンプトインジェクションのリスクを警告しています。信頼できるスプレッドシートにだけ使ってください。ダウンロードしたテンプレート、取引先から受け取ったファイル、外部から取り込んだデータには、アドインを誘導してデータを持ち出させたり、記録を書き換えさせたり、破壊的な操作をさせたりする指示が隠されている可能性があります。テストでも、検証なしに動作を許した場合にそうした操作へ誘導できる状況が確認されています。

危険な操作を Claude が提案した場合は実行前に確認を求められます。とくに外部から来たファイルでは、この確認を読み飛ばさないでください。

公式が挙げている使い方の指針は次の4点です。仕上げる前に必ず変更内容を確認すること、広い範囲を編集させる前に信頼できるコピーから始めること、何を変えてほしいのかを具体的に伝えること、そして出力が自組織の基準と自分の判断に照らして妥当か検証することです。

出典: Anthropic 公式ドキュメント「Use Claude for Excel」および製品ページ「Claude for Microsoft 365」(2026-09-20 確認)。本記事は非公式の日本語まとめです。